書評『完訳 7つの習慣 人格主義の回復』
久々の本のレビューです。
7つの習慣。私とこの本の出会いは、ある研修でした。その研修は第6の習慣を引用する形で、以下にして他者との間でより良い第3の案を生み出すかについて学ぶ研修でした。
当時は特に気に留めることなく本を読むこともしませんでしたが、後にその本の名著たる評判を聞き、興味を持ちながらも重厚な内容にしばらく読破できていませんでした。
冬休みということで時間ができたので、本日ようやく読み終えられました。
第1の習慣「主体的である」
人は無意識の中で、刺激に対する反応を自分の価値観の中で決めてしまっている。しかし実際には刺激と反応の間にはスペースがあり、そこには選択の自由がある。
多くのことは自分の輪の中にあり、コントロール可能である。それらを認識し、コントロールすることで、またときにその輪を広げることで、人は主体的になり、より良い人生を選択することができる。
第2の習慣「終わりを思い描くことからはじめる」
終わりを思い描くことで、自分の内面の奥深くにある基本的か価値観を確かめる。その価値観を基に自分は何を自分の生涯で達成したいかを考えることで、自分の人生の脚本を書き直すのだ。その新たに書き直された脚本のベースとなるべき個人の成文憲法が、個人のミッション・ステートメントである。
個人のミッション・ステートメントを書き出す際に注意すべきことは、中心が何であるかということ。自分自身の中心を何とするか次第で、自分の価値観は大きく変わる。その中心は何であるべきか、配偶者、家族、お金、仕事、自己。この本ではいずれも中心にすべきではなく、原則こそが中心であるべきと説いている。原則は不変であり、人類共通の根本的な心理である。
第3の習慣「最優先事項を優先する」
個人のミッション・ステートメントを持つことで、やるべきことは明らかになった。最優先事項を優先するために、セルフマネージメントを用いて感情を目的意識に服従させ優先事項を優先する。また、自分の持つ様々な役割を明らかにし、真に自身が果たすべきことをミッション・ステートメントと照らし合わせながら判断していく。さらに人に任せられそうな仕事は積極的に他者にデリゲーションを行い、改めて最優先事項を優先する。
第4の習慣「Win-Winを考える」
この世にはすべての人に行きわたるだけのものがたっぷりあり、Win-LoseやLose-Winでしか解決できない問題などほとんどない。Win-LoseやLose-Winに陥りがちな人はまず良好な人間関係を形成することが必要である。
『その人に礼を尽くし、敬意を払い、その人の意見を尊重することによって、信頼口座に預け入れをする。コミュニケーションの時間も長くとる。相手の話をよく聴き、深く理解しようと努める。そして自分の意見は勇気を持って述べる。』
これにより、Win-Winである第3の案を導出するための土壌を作る必要がある。
第5の習慣「まず理解に徹し、そして理解される」
人は往々にして人の話を正しく傾聴していない。次に自分が何を話そうか考えながら聞いている。話しているか、話す準備をしているかのどちらかなのである。問題が起こる前に、評価したり処方したりする前に、自分の考えを主張する前に、まず理解するよう努力する。これこそが理解に徹するということ。
真に理解を終えたうえで自分の理解を誠実に話す。これこそが理解をしてもらうためのステップである。
第6の習慣「シナジーを創り出す」
違いこそが新しく創造的なアイディアを生み出す。今まで相容れなかった敵と第4と第5の習慣を使い理解し違いを認め合うことで、シナジーを生み出し、より創造的なアイディアや解決策に結びつく。
第7の習慣「刃を研ぐ」
『第7の習慣は個人のPC(成果を生み出す能力) である。あなたの最大の資産、つまりあなた自身の価値を維持し高めていくための習慣である。あなたという人間をつくっている四つの側面(肉体、精神、知性、社会・情緒) の刃を研ぎ、再新再生させるための習慣である。』
言葉の引用のみとなるが、これが第7の習慣のすべて。人は高い次元で学び、 決意し、 実行することで、より個人の価値を高めていける。
最後に
とてもボリュームが多く、読み終えるまでに非常に時間がかかってしまいました。この本は一度読んでお終いでなく、自分の生き先に迷い生じた際に原点に立ち返るための教典のようなもののように感じています。
この先より良い人生を送るために、より素晴らしい人間であるために、これからも長く継続して読み深めていきたい思います。